For you, who always comes last

後回しにしてきた
「わたし」に、
1分だけ時間を。

仕事、家のこと、だれかのための予定。気づけば、自分のことはいつも最後。
ここでは脳科学や心理学の研究をもとに、忙しい日でも「1分から」できるセルフケアをご紹介します。

🧠 脳科学💭 心理学⏱ 1分から📚 参考文献つき
1分間の呼吸をためす まずは読んでみる
Is this you?

こんなこと、ありませんか?

  • ランチはデスクで、スマホを見ながら5分
  • 寝ても疲れがとれず、朝からぐったり
  • 肩や首がいつもガチガチ
  • 休みの日も、仕事や家のことが頭から離れない
  • 「疲れた」と言うより先に「ごめんね」と言っている
  • 自分のための時間を、最後にとったのはいつだろう

ひとつでも当てはまったら、それは「がんばりすぎ」のサインかもしれません。
あなたが弱いからではなく、脳と身体がそういう状態になりやすい仕組みがあるのです。

Why?

なぜ、自分のことを
後回しにしてしまうの?

研究でわかってきた、3つの理由。

01

ストレス下の脳は「目の前」を優先する

強いストレスがかかると、計画や自分を整える働きをもつ「前頭前野」の機能が下がり、感情や警戒を担う回路が優位になることが知られています1。すると「いま片づけるべきこと」に追われ、長い目で見た自分のケアは後回しになりがちです。

02

心は、起きている時間の約半分さまよっている

約2,000人を対象にした調査では、人は起きている時間の約47%、目の前のこととは別のことを考えていました。そして心がさまよっているときほど、幸福感は低い傾向がありました2

03

「ちゃんとしなきゃ」が心の負担になる

自分に厳しすぎる姿勢よりも、自分にやさしく接する「セルフ・コンパッション」が高い人ほど、不安や抑うつが低いことが複数の研究をまとめた分析で示されています3

だからこそ、セルフケアは
「大きく・完璧に」ではなく「小さく・やさしく」からはじめましょう。

How are you?

いまの気分はどうですか?

近いものをひとつ選んでみてください。
気持ちに気づくこと自体が、セルフケアの第一歩です。

気分に合わせて、ひとことメッセージをお届けします。
Mind

心のセルフケア

気持ちを整える、心理学に基づいた小さな習慣。

🏷️

気持ちに名前をつける

モヤモヤしたら「いま、焦ってるな」「不安なんだな」と心の中でつぶやいてみましょう。

研究から感情を言葉にするだけで、不安や恐怖に反応する脳の「扁桃体」の活動が弱まることが、脳画像研究で示されています(感情のラベリング)4
🌸

3つの「よかったこと」

寝る前に、今日よかったことを3つと、その理由を書き出します。「コーヒーがおいしかった」で十分です。

研究からこれを1週間続けた人は、6か月後も幸福感が高く、抑うつ症状が低い傾向が続いていました5
🤍

友だちに話すように、自分に話す

失敗したとき、大切な友だちになんと声をかけますか?その言葉を、自分にもかけてあげましょう。

研究からセルフ・コンパッションは「自分へのやさしさ」「つらいのは自分だけじゃないと知ること」「気持ちをありのまま見つめること」の3つからなるとされています6
📝

書いて、手放す

頭の中をぐるぐるしていることを、誰にも見せない前提で紙に書き出します。5分でも大丈夫。

研究から気持ちを数日間書き出した人たちは、その後の数か月で健康センターの利用回数が減るなど、健康面によい変化が見られました(筆記開示)7
Body

身体のセルフケア

身体がゆるむと、心もゆるみます。

☀️

朝の光を浴びる

起きたらカーテンを開けて、窓際で5分。通勤中に日の当たる側を歩くのもおすすめです。

研究から朝の光は体内時計を整え、夜の自然な眠気につながります8。晴れた日ほど、脳内のセロトニンの代謝が高いという報告もあります9
🌳

緑の中を歩く

昼休みに公園をひと回り。ひと駅手前で降りて、並木道を歩くのでもOK。

研究から自然の中で週120分以上過ごす人は、健康感や幸福感が高い傾向がありました。一度にまとめてでも、少しずつ分けてでもよいとされています10
💆

ぎゅっと力を入れて、ゆるめる

肩をすくめて5秒ぎゅっと力を入れ、ストンと落として10秒脱力。手や顔でもできます。

研究から「漸進的筋弛緩法」と呼ばれる方法です。わざと力を入れてからゆるめることで、ゆるんだ状態に気づきやすくなります11
🌙

眠りを最優先にする

家事を1つ減らしてでも、眠る時間を確保してください。休日の寝だめより、毎朝同じ時間に起きる方がリズムが整います。

研究から厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人は6時間以上の睡眠を目安にすることが推奨されています8
はじめる
Breathing

1分間の呼吸エクササイズ

研究から1日5分、吐く息を長くとる呼吸を1か月続けたグループでは、マインドフルネス瞑想のグループよりも気分の改善が大きかったと報告されています12

Anytime

すきま時間のセルフケア

「時間ができたら」ではなく、「いまある時間」で。

1
会議の前に・トイレで・信号待ちで
  • いまの気持ちに名前をつける
  • ため息呼吸を3回
  • 肩をぎゅっ、ストン
5
朝の身支度に・昼休みに・寝る前に
  • 窓際で朝の光を浴びる
  • 3つの「よかったこと」を書く
  • 温かい飲み物を、スマホを置いて味わう
15
帰り道に・休日の朝に
  • ひと駅歩く、緑の多い道を選ぶ
  • シャワーではなく湯船につかる
  • 頭の中のモヤモヤを書き出す
Keep going

がんばらずに続けるコツ

意志の強さより、しくみを味方に。

「〇〇したら、△△する」と決めておく

いつ・どこで・何をするかを「もし〜なら、〜する」の形で決めておくと、目標を実行しやすくなることがわかっています(実行意図)13

例:コーヒーを淹れたら、深呼吸を3回する

いつもの習慣に「くっつける」

歯みがき、通勤、お風呂など、すでに毎日していることのあとに組み込むと、思い出す手間が減ります。

例:湯船につかったら、3つの「よかったこと」を思い出す

1日休んでも、だいじょうぶ

新しい行動が習慣になるまでの期間は平均66日で、人によって18〜254日と幅がありました。そして、ときどき1日できなかったことは、習慣づくりに大きく影響しませんでした14

できなかった日は「また明日」でOK
🌷

女性のからだとこころの「ゆらぎ」

女性ホルモンは月経周期のなかで変動し、その影響で気分や眠気、むくみなどが変わることがあります。40代に入ると、ホルモンの分泌がゆらぎながら少しずつ変化しはじめ、心身の不調を感じやすくなる人もいます。

「最近なんだか調子が違う」と感じたら、自分を責めるのではなく、手帳やアプリに体調を記録してみましょう。つらさが続くときは、婦人科などの専門家に相談することもセルフケアのひとつです。

Daily check

今日のセルフケア・チェック

できたものにチェック。全部じゃなくて大丈夫です。

🌷 ひとりで抱えこまないで

つらい気持ちが2週間以上続くとき、眠れない・食べられない日が続くときは、専門家や相談窓口を頼ってください。相談することは弱さではなく、大切なセルフケアです。

こころの耳(厚生労働省) kokoro.mhlw.go.jp 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト。電話・SNS・メールでの相談窓口もあります
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 お住まいの都道府県の窓口につながります
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間・無料
いのちの電話 0570-783-556 受付時間は各センターにより異なります

※ 受付時間などは変更される場合があります。最新情報は各窓口の公式サイトをご確認ください。緊急の場合は 119 へ。職場の産業医や保健師に相談するのもひとつの方法です。

📚 参考文献(本文中の番号に対応)
  1. Arnsten, A. F. T. (2009). Stress signalling pathways that impair prefrontal cortex structure and function. Nature Reviews Neuroscience, 10(6), 410–422.
  2. Killingsworth, M. A., & Gilbert, D. T. (2010). A wandering mind is an unhappy mind. Science, 330(6006), 932.
  3. MacBeth, A., & Gumley, A. (2012). Exploring compassion: A meta-analysis of the association between self-compassion and psychopathology. Clinical Psychology Review, 32(6), 545–552.
  4. Lieberman, M. D., et al. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421–428.
  5. Seligman, M. E. P., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress: Empirical validation of interventions. American Psychologist, 60(5), 410–421.
  6. Neff, K. D. (2003). Self-compassion: An alternative conceptualization of a healthy attitude toward oneself. Self and Identity, 2(2), 85–101.
  7. Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281.
  8. 厚生労働省(2024). 健康づくりのための睡眠ガイド 2023.
  9. Lambert, G. W., et al. (2002). Effect of sunlight and season on serotonin turnover in the brain. The Lancet, 360(9348), 1840–1842.
  10. White, M. P., et al. (2019). Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing. Scientific Reports, 9, 7730.
  11. Jacobson, E. (1938). Progressive Relaxation (2nd ed.). University of Chicago Press.
  12. Balban, M. Y., et al. (2023). Brief structured respiration practices enhance mood and reduce physiological arousal. Cell Reports Medicine, 4(1), 100895.
  13. Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist, 54(7), 493–503.
  14. Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009.